土地家屋調査士 と 測量士(又は測量会社) 最近 このページのアクセスがとても多いので、一般の皆さんの疑問に答えるべく ページを少し更新しました。(2011/09/15) 私はかつて、測量会社を経営していたことがあります だから一般の皆さんの 誤解を解くために、これを書きました 現在は土地家屋調査士として業務を行っております。 土地家屋調査士は、法務省管轄の国家資格です 最近、業務の中で土地の持ち主さんから聞かれる事があります。 一般的には 皆 「測量士さん」に計って貰えば、登記出来ると思って居ます しかし、それは違います 測量士であって、土地家屋調査士でもある兼業事務所を持って いる方は別ですが・・ 土地家屋調査士の業務 我々は、主に一般国民から直接依頼を受けて、土地の境界を計り、地権者の皆さんと土地の確認を 行い、登記申請(分筆登記・地積更正登記・地目変更登記等)を行います 登記申請は管轄の法務局に申請します この申請を地権者の代理で行うことが出来るのが 土地家屋調査士です。 測量士は、測量自体は出来ますが、登記申請を国民からお金を貰って行う事は出来ません しかし 皆さんが「測量士さん」に分筆登記等を頼んでも登記出来ちゃうのは何故でしょう? 「不動産屋さん」に頼むと全て登記が完了しているのは何故でしょう? (勿論、依頼した相手が誰であれ、申請人である皆さんに土地家屋調査士本人がアポイント を取って来て業務を行う旨の契約を行った場合は問題ありませんが・・) しかし殆どがその「測量士さん」 「不動産屋さん」の知り合いの土地家屋調査士が最終的に 登記申請の書類だけ、又は、印鑑のみ押して法務局に申請しているからです 実際に現地に行かず、書類だけ作成して居るわけですから、地権者さんも誰が登記申請したのか? 解りません 当然頼んだ測量士(又は測量会社)が行って居ると考えがちです しかし、これを行うと 土地家屋調査士は名義貸しとなって、処罰の対象となります 最近(2007年11月現在)未だに名義貸しを行っている土地家屋調査士も多いのが事実です 加筆 2012年9月15日 我が土地家屋調査士会の会員平均年齢は千葉県でも60歳近くなりました。 当然カラダも動かなくなりつつある年齢です。 毎日使っているパソコン等も 苦手としている有資格者が大勢います。 最近はオンライン申請が出来て「当たり前」 になっていますが、苦手としている有資格者は、補助者やバイト・・又は身内に 計算や現場の労働をやらせています。 本人がシッカリ管理の元に業務を行って いる場合は良いですが、そうでは無い方がいた場合は問題です(T_T) 本来は、土地家屋調査士 本人が、境界の確認を行い、測量、図面作成、登記申請まで を必ず行います。 これに違反したら、処罰されます 法務局(登記所)に御自分の土地の図面(地積測量図)がある場合は 左下の作成者を見てください 必ず、土地家屋調査士の職印と住所、氏名が書いてあります(役場が嘱託で行った場合は測量士の 名前が書いてあるかもしれません)この場合は合法です 我々は、永久に登記された図面(地積測量図)を測って測量した責任を負って居るのです そこには測量会社の名前はありません。 ということは問題が出たときのリスクも全て我々にかかってきます 測量会社は、会社ですので 社員の入れ替わりもあり、名前が残らない のですから、登記された図面が間違って居ても責任を逃れる事が出来ます よって、我々 土地家屋調査士は名義貸しなどしてはならないのです 将来、土地の境界に変動があった場合や間違って居た場合も全て責任は 我々に来ます。 測量士が責任を負うことはありません。 法務局の地積測量図には嘱託申請を除いて測量士又は測量会社の名前が入っていないからです。 平成17年度あたりから、不動産登記法が改正され、土地の登記も、より複雑に なりましたが、その分正確な測量図が法務局に提出されて居ます 以上の様な訳で、測量した土地や建物を資格者として代理登記申請出来るのは 土地家屋調査士と司法書士のみです 司法書士は権利の登記を行う事が出来ますが、我々の行う表示の登記は出来ません 同様に土地家屋調査士が権利の登記を行うことは出来ません 例外として 権利の登記ですが、土地合筆登記と建物合体の登記があります これは土地家屋調査士が行います 又、近年は境界という言葉の代わりに筆界という言葉が使われます お隣の土地との筆界を確認し、測量、登記申請することが出来るのは土地家屋調査士だけです 地権者本人の申請は認められておりますので、CADを使って図面を作るスキルと 測量の技術と知識があり、隣接所有者様との境界確認や市道、県道などの道路境界確定の仕方 更に、確定した書類を市や県、国に反映させ、道路確定協議書までを全てご自分で作成し 登記申請の添付書類として提出できて、初めて、自分の土地、建物なら、登記申請出来ます。 普通一般の方がそこまで出来れば、資格者はいらなくなってしまうので、土地の登記測量は 本人申請で行う事は少ないです。ですが単純な書類だけ揃えれば出来る登記もあります。 土地家屋調査士は会社に所属して給料を貰うことは禁止されています。 必ず事務所のある県の土地家屋調査士会に入会しています。 雑誌などに就職に有利な資格とか書いてありますが、土地家屋調査士として就職する ということはあり得ません。必ず個人事務所として独立開業しなければなりません 測量会社の中にその事務所を置くことは許されていますが、報酬を給料制にして 貰うことは出来ません。 よって、測量会社内に事務所を置いた場合は、土地家屋調査士 として業務をしているのか?測量会社の社員として働いて居るのか? ハッキリ分けて仕事をしなければなりません。 加筆 2012年9月15日 ですが***測量と言って業務を受けていて、現場仕事も測量会社の社員が行い 更に計算、製図まで行っていて、隣接地権者の同意(印をいただく)まで任せて その後に土地家屋調査士の職印を押して申請書だけ作っている方もいると聞きます。 これも完全な名義貸しですが、不況のおり、そういう方が増えてきたとしたら残念ですね。 サラリーマンではないので、生涯現役の資格ですから、若すぎるから悪いとか、高齢者が悪いと 言ってるわけではありません。あくまでも、資格者として自分で受けた仕事は自分で 最後まで責任持って行って欲しいと考えます。 以上の様に土地について主に書きましたが、建物の新築登記も同じです 測量士の業務 個人で行っている測量士もおりますが殆どが会社に所属してます 必ず法人名義で ****測量 という名前がついて居ます 測量士は文字通り測量する事が出来ます しかし、測量士は殆どが公共の測量を行ないます 市町村、県からの入札を経て、入札した会社が公共の事業の測量を行います 規模が大きい場合、大規模な会社が大きな仕事を取る事も出来ます。 個人から仕事を受けても、測量は出来ますが、登記申請は出来ません 勿論、ご自分の土地の面積のみ知りたい等の場合は、測量士に依頼しても 可能です 土地家屋調査士 西内正道 |